ヤフーは2015年7月27日、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)に向けた新しい取り組みとして、事業者向けプラットフォーム「myThingsプラットフォーム」、ならびにユーザー向けのスマートフォンアプリ「myThings」の提供を開始した。サービス事業者であるヤフーが、ハードウエアが必要なIoTのプラットフォーム事業にあえて参入する狙いはどこにあるのだろうか。

ヤフーがIoTプラットフォームに参入

 今年に入って大きな注目を集めているものの1つに「IoT」がある。IoTを簡単に説明すると、身の回りにあるような様々な「モノ」をインターネットにつなぐことで新しい価値を創出する取り組みである。

写真1●myThingsについて説明するヤフー執行役員CMOの村上臣氏。myThingsプラットフォームは、専用のアプリを通じて、対応する機器とWebサービスをつなぎ、新しい価値を生み出す
写真1●myThingsについて説明するヤフー執行役員CMOの村上臣氏。myThingsプラットフォームは、専用のアプリを通じて、対応する機器とWebサービスをつなぎ、新しい価値を生み出す
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 このIoTを巡っては、現在様々な企業が、様々な角度から取り組みを進めている。ソフトウエアあるいはインターネットの側から新しいプラットフォームを作ろうとしている企業の1つにヤフーがある。同社は7月27日、IoT製品やIoTサービスを展開する事業者に向けて「myThings」プラットフォームを提供すると発表(写真1)。加えて、myThingsプラットフォームを活用し、IoT機器やWebサービスなどを組み合わせて新しい便利な使い方を生み出すスマートフォン向けアプリ「myThings」も公開している。

 myThingsプラットフォームで公開しているAPIを用いて機器やサービスを開発すれば、それらを組み合わせた新しい機能を実現し、それをmyThingsアプリで使えるようになる。機器やサービス、アプリ単体ではなし得ない価値を生み出せるわけだ。

 具体例を挙げると、「室内の温度計で一定の温度を超えたらメールで通知して熱中症予防につなげる」「フィットネスリストバンドとグルメサイトを連携させる」「カロリー消費に応じたお店やメニューを紹介する」、などといった具合だ。

 しかもmyThingsは、将来的にオープンなプラットフォームを目指すとしていることから、これを用いることで異なるメーカーの機器同士を連携させることも容易になる。今回の発表では、ヤフーが提供するアプリなど30のサービスがmyThingsに対応するほか、シャープやソフトバンクがパートナーとして参加するとしている。またIDCフロンティアが提供するクラウドサービス「IDCF Cloud」を用いることで、個人で自作したIoT機器との連携も可能になるようだ。