2016年7月の配信直後から大ブームとなり、様々な社会現象をもたらした米ナイアンティックの「ポケモンGO」。あれから約1年が経過した現在、当時のようなブームは見られなくなっていることから“オワコン”(終わったコンテンツ)化を指摘する声も聞かれるようになった。だが本当にそうなのだろうか。
ポケモンGOの大ブームから1年が経過
2016年に最もヒットしたスマートフォンゲームといえば、誰しもが「ポケモンGO」を思い浮かべるのではないだろうか。
ポケモンGOは米ナイアンティックのスマートフォンゲーム。同社が提供している位置情報を活用し、実世界で様々な場所に移動しながらモンスターを捕獲し、ジムでバトルができる。ゲームやアニメで人気の「ポケットモンスター」の世界観を体験できることから、一躍世界的なブームをもたらした。
それと同時に、ポケモンGOはあまり注目されなくなった拡張現実(AR)に対する関心を再び高めるきっかけにもなった。今年、米フェイスブックや米アップルがARに対する取り組みを積極化してきているが、こうした動きもポケモンGOの大ヒットと無関係ではないと筆者は見ている。
日本でも2016年7月22日の配信以降、非常に多くの人達がポケモンGOを楽しむために屋外へと繰り出し、レアモンスターが出現する場所には非常に多くの人が押し掛ける程の人気となった。一方で人気の過熱ぶりから、「歩きスマホ」の増加や、ポケモンGOを起点とした交通事故の発生、さらには特定の場所に多数の人達が訪れることにより、交通が麻痺したり、近隣住民の迷惑となったりするなど、プラス面とマイナス面の両方で大きな社会現象となったことは、記憶に新しい。
そのポケモンGOの配信開始から間もなく1年が経過しようとしているが、ブームが去ったことでプレーヤーも減少し、かつてレアモンスターを探して多くの人が訪れた場所も、現在では人気(ひとけ)が減るなどすっかり落ち着いているようだ。そうした現状から、一部にはポケモンGOは既に“オワコン”だとの声も出てきているが、本当にそうなのだろうか。