LINE上で一般ユーザーがスタンプを作成し、販売できる「LINE Creators Market」が盛り上がりを見せている。7月9〜10日にLINEが開催した、LINEスタンプのクリエイターが集う「LINE Creators Festa 2016 -スタンプの祭典-」の様子と、担当者のインタビューから、LINE Creators Marketの現状と今後について探ってみよう。

スタンプクリエイターに焦点を当てたイベントを実施

 日本では多くのスマートフォンユーザーが使用しているメッセンジャーアプリ「LINE」。中でもキャラクター画像などで感情や表情などを表現するLINE発祥の「スタンプ」は、今やFacebookメッセンジャーなど多くのメッセンジャーアプリに「sticker」として取り入れられ、世界的に人気となっている。

 LINEを提供するLINE社にとって、スタンプは単にコミュニケーションの幅を広げるだけの存在ではない。企業のプロモーション用途として提供されるスポンサードスタンプや、専用のスタンプショップで販売する多彩なスタンプは、売り上げを拡大する手段として欠かせないものとなっている。

 かつては企業などが提供する公式のものしか存在しなかったLINEスタンプ。LINE社は2014年に、企業だけでなく一般ユーザーもスタンプを作成し、販売できるプラットフォーム「LINE Creators Market」の提供を開始した。これによって企業以外の一般クリエイターから多種多彩なスタンプが生まれたほか、それらスタンプの中から人気キャラクターなども誕生し、グッズ化されるなどの広がりも見せている。

 そうしたクリエイター作成スタンプの盛り上がりを受け、LINE社は7月9〜10日の2日間、LINEスタンプの愛好家やスタンプクリエイターのファンなどに向けたイベント「LINE Creators Festa 2016 -スタンプの祭典-」を開催。人気のスタンプを作成しているクリエイターによるスタンプ講座などのイベントや、クリエイター自身がブースを出展してグッズを販売するコーナー、そして来場者が描いたスタンプイラストを審査する、スタンプ審査体験コーナーなどが設けられ、大きな盛り上がりを見せていた(写真1)。

写真1●7月9〜10日の2日間にわたって開催された「LINE Creators Festa 2016 -スタンプの祭典-」。人気スタンプクリエイターの登場などで、多くの来場者を集めていた。写真は7月10日の同イベントより(筆者撮影)
写真1●7月9〜10日の2日間にわたって開催された「LINE Creators Festa 2016 -スタンプの祭典-」。人気スタンプクリエイターの登場などで、多くの来場者を集めていた。写真は7月10日の同イベントより(筆者撮影)
[画像のクリックで拡大表示]

 LINEの関係者によると、来場者数は2日間で約8650人とのこと。LINE側では当初、1日当たり1000人程度の来場者を見込んでいたそうだが、実際にはその4倍という計算になる。そうした点からも、LINE Creators Marketの盛り上がりがいかに大きくなっているかを見て取ることができるだろう。