スマートフォンでも大きな成長を続け、人気を高めているEC(電子商取引)。2014年はいわゆる「フリマアプリ」が注目され、大きな話題となった。フリマアプリ以降のスマートフォンにおけるECは、どのように変化しているのだろうか。
スマートフォンならではのECスタイルを築いたフリマアプリ
アマゾンや楽天に代表されるように、ECはインターネット上の主要サービスとして人気を集め続け、現在では幅広く定着するに至っている。かつてはパソコン上のECが主流であったが、デバイスの変化に伴い、フィーチャーフォン、そしてスマートフォンやタブレットへと対応するデバイスの幅を広げてきている。
そのスマートフォンのECにおいて、昨年大きな注目を集めたのが、メルカリやFril(フリル)などに代表されるフリマアプリだ(図1)。これは文字通り、中古品などを扱うフリーマーケットの仕組みをアプリに取り込んだもので、ネットオークションのように入札期限が定められていたり、入札によって値段がつり上ったりすることなく、提示した料金ですぐ落札できるサービスだ。
フリマアプリは、入札にかかる時間や手間を減らすことでスマートフォンユーザーの「すぐ購入したい」という欲求を満たすことに成功。出品する側もネットオークションのように細かい説明を入力する必要なく、アプリならではの特性を活かし、商品の写真を撮影して簡単な説明文を入力するだけと、手軽さを重視しユーザーの負担を減らすことで人気を獲得した。
さらにエスクローサービス(第三者が商取引を仲介して安全性を保証するサービス)を標準で用意することにより、取引時の安心感を提供したことなどが評価され、特にファッションアイテムを素早く交換・処分したい若い女性層から支持を得た。先に挙げたメルカリやFrilなどが相次いでテレビCM展開を実施し、知名度を上げたことも、その人気に大きく影響したと言えるだろう。