米グーグルが米国時間の2017年5月17日から開いた開発者向けイベント「Google I/O 2017」。今年は「Googleアシスタント」「Google Home」の日本向け対応が正式に発表されるなど、人工知能(AI)に大きな焦点が当てられたが、ほかにも注目すべき発表があった。発表内容からグーグルがもたらすモバイル技術の進化の方向性について考えてみたい。

スマートスピーカー「Google Home」が日本でも発売

 グーグルの開発者向けイベント「Google I/O」が5月17日(米国時間)から開催された。今年のGoogle I/Oをひと言で言い表すならば、やはり人工知能(AI)ということになるだろう。

 グーグルはここ最近AI技術に非常に力を入れており、2016年のGoogle I/Oでは音声アシスタント「Googleアシスタント」や、最近注目が高まっている音声操作ができるスマートスピーカー「Google Home」を発表。スマートフォンだけでなく、家庭の中にも本格的にAIを導入することを強く打ち出していた。

 そして2017年のGoogle I/Oでも、AIに関する発表にはかなり時間が割かれていたようだ。中でも日本人にとって大きなニュースとなったのが、GoogleアシスタントとGoogle Homeが2017年後半にも日本に投入されると正式に発表されたことだろう。

 日本語環境におけるGoogleアシスタントは現在、グーグルのメッセンジャーアプリ「Allo」での利用にとどまっており、Android標準の機能としては使えない。だが今回、日本語やフランス語、ドイツ語など英語以外の言語によるGoogleアシスタントの動作に目途が立ったと見られる。Googleアシスタントや、それを用いるGoogle Homeが正式に日本語に対応するとみられる。

 ちなみにLINEは独自の音声アシスタント「Clova」を採用したスマートスピーカー「WAVE」を今夏に投入すると表明している。いままで言語の違いから、日本ではスマートスピーカーの盛り上がりを実感できなかったが、LINEに加えグーグルが製品を投入することが明らかとなっただけに、2017年後半からはスマートスピーカーに関する動きが大きな盛り上がりを見せることとなりそうだ。

今回のGoogle I/Oでは、「Googleアシスタント」の日本語対応や、それを活用したスマートスピーカー「Google Home」の日本発売が明らかにされた。写真はグーグル公式ブログより
今回のGoogle I/Oでは、「Googleアシスタント」の日本語対応や、それを活用したスマートスピーカー「Google Home」の日本発売が明らかにされた。写真はグーグル公式ブログより
出所:グーグル
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