先日発表されたNTTドコモとauの夏商戦戦略が、「ポイント」や「物販」など、リアルな店舗と関連する生活系サービスに重点を置くなどキャリアらしからぬ内容であったことが話題となっている。この流れは、キャリアだけでなくアプリを提供する事業者にも通じる流れでもある。各社が決済やコマースなどの生活系サービスに力を入れるのはなぜだろうか。

ポイントや物販が主力、キャリアの夏商戦戦略に異変

 5月13日から14日にかけて、NTTドコモとKDDI(au)が相次いで、夏商戦に向けた新機種・新サービスの発表会を実施した。筆者も双方の発表会の様子を取材したのだが、携帯電話キャリアらしくない内容であったことが、とても印象に残った。

 というのも、両キャリアともに、キャリアの要であるスマートフォンやネットワークに関する発表は控えめであった。それだけでなく、今後の主要な戦略として発表されたのは、今までキャリアが手掛けてきた領域と大きく異なっていたからだ。

図1●NTTドコモが5月13日に開催した「2014夏モデル 新商品・新サービス発表会」。同社は12月1日よりポイントプログラムを「dポイント」とし、NTTドコモ内だけでなく提携店舗でも利用できることを戦略の主軸としていた
図1●NTTドコモが5月13日に開催した「2014夏モデル 新商品・新サービス発表会」。同社は12月1日よりポイントプログラムを「dポイント」とし、NTTドコモ内だけでなく提携店舗でも利用できることを戦略の主軸としていた
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 NTTドコモは、ポイントプログラム「dポイント」を今回の戦略の柱に据えていた(図1)。dポイントは、同社の従来のポイントプログラム「ドコモポイント」を12月1日にリニューアルしたもの。同社のサービス内だけでなく提携各社のリアル店舗で利用できるようにする。同社はdポイントの発表に合わせて、コンビニエンスストア大手のローソンとの提携を発表した。ローソンでdポイントが利用できるのはもちろん、Pontaポイントとの相互ポイント交換なども実施されるという。