本連載がスタートしてから今回で100回目を迎える。この2年間でスマートフォンを取り巻くアプリやサービスは大きく変わった。どんな変化を遂げたのか、今回から2回にわたって振り返る。
今回は、スマートフォンの主要サービスとして日常的に利用されているSNSなどのコミュニケーションサービスの在り方について見ていきたい。
Instagram人気でビジュアルコミュニケーションが主流に
2015年4月にスタートした本連載は、今回で100回目を迎えることとなった。日ごろ愛読いただいている読者の方々には、改めて感謝申し上げたい。
本連載ではスマートフォンアプリを主軸としながら、モバイルに関連したインターネットやITのビジネスを幅広く追いかけてきた。非常に動きが速い業界だけに、連載開始当時と現在とでは、その動向も大きく変化している。
例えば第1回で取り上げたIngressを運営するグーグルの社内ベンチャーであるナイアンティックラボは、その後グーグルから独立して米ナイアンティック社となり、2016年には「ポケモンGO」で世界的なブームを巻き起こす大ヒットを記録した。一躍スマートフォンゲーム業界の主役へと躍り出ている。
2015年当時と現在とで、スマートフォンのコミュニケーションが大きく変わったと感じるのは、写真を主体としたSNS「Instagram」の台頭ではないだろうか。Instagramはここ2年で女性を中心に若い世代からの人気が急速に高まっている。現在ではメディアなどで連日、Instagramを積極的に利用する女性「インスタ女子」の話題が取り上げられたり、Instagram上で目立つ「インスタ映え」する商品やスポットが取り上げられたりするなど、Instagramの存在感が日増しに高まっている様子が分かる。
Instagramは海外でも若い世代から火が付き、日本でも海外のスターや日本の芸能人などが積極的に写真を投稿するようになったことで、急速に人気が出たと見られる。Instagramの広まりは、スマートフォン上のコミュニケーションが、テキストよりも直感的に訴えかけられる、写真や動画を主体としたビジュアルコミュニケーションへと大きく変わりつつある動きの表れだと言えるだろう。