画像1●キュレーション系ニュースアプリのグノシー
画像1●キュレーション系ニュースアプリのグノシー
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 2014年、スマートフォンアプリで大きな注目を集めたものの一つに、いわゆる「ニュースアプリ」がある。インターネット上での情報発信が増えたことで情報があふれ、必要な情報を探すのが難しくなった。そこで複数のニュースサイトの情報を独自のアルゴリズムでピックアップし、利用者が興味のありそうなニュースを表示してくれるキュレーション系のニュースアプリが大きな注目を集めるようになったのだ。

 ニュースアプリが大きな注目を集めた大きな要因となったのが、テレビCMである。Gunosyは2014年3月、KDDIから資金調達を実施。その資金をニュースアプリ「グノシー」のテレビCMに費やしたことで大きな注目を集めるとともに、ダウンロード数を大きく伸ばして急成長。各アプリマーケットの記述によると、現在では900万ダウンロードを突破しているようだ。

 グノシーの成功に続いて、「SmartNews」や「Antenna」など多くのキュレーション系ニュースアプリがテレビCMに登場。それまで利用の少なかったマス層にまで浸透し、急成長を遂げている。エンターテインメント系以外のアプリとの相性が未知数であったテレビCMをうまく活用し、ニュースアプリが急成長を遂げたのは事実であろう。

 そうして多くのユーザー数を集めたサービスは、次なる展開を見せている。Gunosyは、「Gunosy Platform」の構想を2014年11月に発表した(画像2)。これは、グノシーをプラットフォームとして様々なサービスへの誘導をグノシー上で実現する構想だ。既に「DeNAトラベル」などがGunosy Platformを通じて提供されている。またSmartNewsを運営するスマートニュースも、2014年12月に事業戦略説明会を実施。ミクシィなどとの協業によって広告事業の強化を図ることを発表している。

画像2●ニュースアプリのグノシーはプラットフォーム展開を実施。3月12日には旅行サービスの「DeNAトラベル」のチャンネル提供を開始している
画像2●ニュースアプリのグノシーはプラットフォーム展開を実施。3月12日には旅行サービスの「DeNAトラベル」のチャンネル提供を開始している
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 今年に入ってからは、さらに大きな動きが起きている。それを象徴しているのが、Gunosyが3月24日、東証マザーズへの新規上場が承認され、4月28日に上場される予定であると発表したことだ。グノシーのプラットフォーム化を開始したばかりであり、本格的な収益化はこれからと見られていただけに、この時点での上場は大きな驚きをもたらした。