LINEの元CEOである森川亮氏が、動画配信プラットフォームの「C Channel」を立ち上げたことが話題となった。最近、スマートフォンで動画を配信・視聴するプラットフォームが人気となっているのは確かだ。なぜ今、動画プラットフォームが活況を呈しているのだろうか。
LINEを辞した森川氏が目を付けたのは「動画」
LINEは4月1日、同社を長く率いてきたCEOの森川亮氏が退任し、代わって出澤剛氏がCEOを引き継ぐという人事を発表した。LINE自体好調な伸びを示している中でのCEO交代とあって、多くの人に驚きをもたらした。森川氏が、スタートアップとして新しい事業を展開するべく、退任を望んでいたことが背景にあったようだ。
その森川氏が、退任後間もない4月10日に「C Channel」を設立し、同名のサービスのベータ版を展開したことが話題となった。このサービスの内容は、女性向けの動画メディアプラットフォームというべきものだ。「クリッパー」と呼ばれる同サービスに参加しているファッションモデルやタレントなどが、自分のお気に入りのファッションやメイク、グルメなどを動画で紹介する(図1)。
C Channelの大きな特徴は、クオリティに重点を置いている点。動画プラットフォームでありながら、一般ユーザーが投稿した動画をそのまま配信するのではなく、プロが編集したうえで配信する。
もう1つの特徴は、1本当たりの動画の長さが1分程度と、非常に短い点だ。実際に動画を見ると、しっかりとした編集が入ることで、YouTubeなどにありがちな冗長さは取り去られ、1分の長さに情報が集約されており見やすい印象を受ける。
このように、動画投稿サービスの手軽さにプロのクオリティを加え、新しいスタイルを作り上げようというのが、C Channelの狙いのようだ。
若い世代を中心に動画アプリが人気
森川氏は過去にテレビ局の勤務経験があるので、動画関連で起業するのは、ある意味当然かもしれない。しかし、同氏がこのタイミングで起業するに当たって動画に目を付けたというのは、別の理由で非常に納得のいくものだ。