マイクロソフトは2017年4月7日、コミュニケーションアプリ「Skype」で、異なる言語でもリアルタイムに翻訳しながら会話できる「Skype 翻訳」が日本語に対応したと発表した。当初はパソコン向けのSkypeのみに限られる。スマートフォンなどを活用し、いつでも音声によるリアルタイムな自動翻訳が利用できる日はいつ来るのだろうか。
AIによる精度向上と日本語対応を実現
深層学習(ディープラーニング)など人工知能(AI)の技術を活用し、自動翻訳の精度を向上させる取り組みが急拡大している。特に話題となったのが、2016年11月にグーグルの「Google翻訳」が大幅に変わったことであろう。
従来の自動翻訳は、大規模な翻訳辞書データを単語の並びなどと照らし合わせ、統計的な処理で翻訳を進める手法が主流であった。だがグーグルは新たに、脳の神経構造を機械上で再現するニューラルネットワークを応用した「Google Neural Machine Translation」(GNMT)を導入。これによって翻訳精度が大幅に向上したことが話題となった。
そしてこの自動翻訳技術に関して、新しい取り組みを発表したのがマイクロソフトである。日本マイクロソフトは2017年4月7日、Skypeの音声会話を自動翻訳する「Skype 翻訳」(Skype Translator)が、新たに日本語に対応したと発表したのだ。
Skype 翻訳は2016年1月より正式に提供されているもの。Skypeで音声通話をする際、話した言葉をリアルタイムに相手の言語へ自動翻訳し、異なる言語同士でもスムーズな会話を実現するという。これまで英語やスペイン語など9カ国語に対応していたが、今回10カ国目の言語として日本語に対応した。
実際にデモを見ると、話した言葉がすぐに相手の言語に翻訳される様子を確認できた。AIを活用していることから、精度を高めるにはある程度学習が必要とのことで、時折誤訳が入ることもあるが、今後利用者が増えることによって精度は高まっていくとのことだ。
なお、Skype 翻訳の基礎となるのは同社の翻訳エンジン「Microsoft Translator」になる。GNMT同様、翻訳エンジンにニューラルネットワークを採用し、大幅な精度向上を図っているとのことだ。