サムスン電子は米国時間の2017年3月29日、新スマートフォン「Galaxy S8」「Galaxy S8+」を発表した。両機種の大きな特徴の1つが「Bixby」だ。人工知能(AI)を活用し、音声アシスタントを超えた機能でスマートフォンの利便性を高めるのが特徴だが、その実力はどれほどのものだろうか。

渾身のフラッグシップで提供される新機能「Bixby」

 2016年に発売した「Galaxy Note 7」が相次いで発火事故を起こし販売中止となり、顧客の信頼を大きく損ねてしまった携帯電話大手の韓国サムスン電子。そのサムスンが3月29日に米国ニューヨークでイベント「Galaxy UNPACKED 2017」を開催し、起死回生の新機種として発表したスマートフォンがフラッグシップモデルの「Galaxy S8」「Galaxy S8+」だ。

サムスンが発表した新フラッグシップモデル「Galaxy S8/S8+」は、縦長のディスプレイを採用した狭額縁設計で、高いディスプレイ占有率を実現しているのが特徴だ。写真は3月29日のGalaxy UNPACKED 2017より(筆者撮影)
サムスンが発表した新フラッグシップモデル「Galaxy S8/S8+」は、縦長のディスプレイを採用した狭額縁設計で、高いディスプレイ占有率を実現しているのが特徴だ。写真は3月29日のGalaxy UNPACKED 2017より(筆者撮影)
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 Galaxy S8/S8+の最大の特徴は、「インフィニティディスプレイ」と呼ばれる独自のディスプレイである。サムスン独自のデュアルエッジスクリーンを採用した。Galaxy S8は5.8インチ、Galaxy S8+は6.2インチとより大きなディスプレイを採用しながら、18.5対9という縦長の比率とすることで、画面の広さと持ちやすさを両立。さらにベゼル部分を極限まで削減した狭額縁設計により、ディスプレイそのものを手に持っているかのような感覚を味わえる、新しいデザインを実現している。

 ディスプレイに並ぶもう1つの特徴として打ち出したのが「Bixby」だ。Bixbyは、AIを活用してスマートフォンを便利にする新しいインターフェースで、サムスンが2016年に買収したVivという企業の技術を活用して作られたものと見られている。

 Vivは米アップルの音声アシスタント「Siri」の開発者が独立して設立した企業であったことから、BixbyもSiriや米グーグルの「Googleアシスタント」、米アマゾン・ドット・コムの「Alexa」などと同様に、音声アシスタントの1つになると見られていた。だが実際に発表された内容を見ると、Bixbyは音声アシスタントにとどまらず、より多くの機能を備えたものとなっている。

 発表会会場でのプレゼンテーションでは、Bixbyには大きく分けて「Talk」「See」「Recommend」「Remind」と、4つの機能が備わっていると説明があった。音声だけでなく、カメラやタッチ操作、日常の利用動向など、様々な要素からの情報をAIによって分析し、ユーザーの求める操作や情報提供を自動で行うというのが、Bixbyの主な仕組みのようだ。

Galaxy S8/S8+に搭載された「Bixby」は、「Talk」「See」「Recommend」「Remind」の4つの機能から成り立っている。写真は3月29日のGalaxy UNPACKED 2017より(筆者撮影)
Galaxy S8/S8+に搭載された「Bixby」は、「Talk」「See」「Recommend」「Remind」の4つの機能から成り立っている。写真は3月29日のGalaxy UNPACKED 2017より(筆者撮影)
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