NTTドコモは2016年3月1日、スマートフォン向けゲームアプリ「Heaven×Inferno」の発表会を実施した。携帯電話のネットワークや端末を提供するNTTドコモが、ゲームアプリの発表会を実施すること自体、不思議な印象がある。なぜ同社はゲームアプリに力を入れ始めたのだろうか。
NTTドコモがゲームアプリの発表会を実施
3月1日、携帯電話キャリアの一角を占めるNTTドコモが、やや意外ともいえる発表会を実施した。それは、同社が新たに提供するゲームアプリ「Heaven×Inferno」の発表会である。
Heaven×Infernoは、これはNTTドコモと、コンシューマーゲームを多く手掛けるトライエースが共同で開発したスマートフォンゲームアプリである(写真1)。天界や地獄界などを舞台としたアクションRPGで、大画面のiPad Proでプレイしても綺麗なグラフィックを再現できるなど、グラフィックの美しさに力を入れた作品となっている。
またシナリオには「バッカーノ!」「デュラララ!!」などのライトノベルで知られる成田良悟氏、サウンドに「世界樹の迷宮」などのゲーム音楽を手掛ける古代祐三氏を起用。さらに発表会会場には、ゲーム中のキャラクターボイスを担当する声優の杉山紀彰氏、椎名へきる氏が登場するなど、スタッフの豪華さも特徴の1つとなっているようだ(写真2)。
こうしたゲームの発表会をゲーム会社が実施するのであればごく自然なことだ。しかしながらこのゲームの開発に携わり、アプリを配信するのは、携帯電話事業者のNTTドコモである。これは、NTTドコモが、ガンホー・オンライン・エンターテイメントやミクシィといったスマートフォンゲームベンダーのライバルとなることも意味しており、やや違和感を抱くのが正直なところだ。
だがここ最近のNTTドコモの取り組みを追っていくと、同社がゲームアプリ事業に力を入れるのは、違和感こそあれど、実はそれほど不思議なことではない。