楽天、LINE社に続き、NTTドコモがキャリア決済とQRコードを組み合わせた「d払い」を開始すると発表したが、その導入に積極的な姿勢を見せているのがコンビニエンスストア大手のローソンだ。同社はなぜ、多様な決済手段を導入し、キャッシュレス決済の拡大に力を入れているのだろうか。
NTTドコモの「d払い」の初期パートナーに
日本では現金に対する信頼度が非常に高い一方で、使い過ぎやセキュリティ面での不安から、クレジットカードの利用に対する不安感が大きい。それゆえ諸外国と比べ、キャッシュレス化がなかなか浸透しないことが社会的な課題となっており、最近では国を挙げてキャッシュレス化に向けた取り組みが進んでいる。
そのキャッシュレス化の最有力候補として注目されているのがQRコード決済である。中国でスマートフォンとQRコードを活用した決済手段が急速に普及したことを受け、日本でもQRコード決済を導入する動きが相次いでいる。既にベンチャー企業のOrigamiが「Origami Pay」、楽天が「楽天ペイ」を提供しているほか、LINE社も「LINE Pay」にQRコードを活用した「コード決済」を追加して対応を進めている。
そして2018年1月17日、新たにQRコード決済に名乗りを上げたのが携帯大手のNTTドコモだ。同社は新しい決済サービスとして、QRコードなどのバーコードを活用した「d払い」を提供すると発表した。
d払いの大きな特徴は、QRコード決済と、毎月の携帯電話料金と合算で代金を支払うキャリア決済を組み合わせた点にある。クレジットカードを登録しての決済も可能だが、NTTドコモとしてはあくまで、キャリア決済の利用に重点を置いてd払いを提供していく考えのようだ。オンライン向けのキャリア決済サービス「dケータイ払いプラス」も今後、d払いにブランドを統合する方針を示している。
そうしたことからd払いの主なターゲットは、クレジットカードを持たない、あるいはクレジットカードの利用に抵抗感を抱く現金派の人達となるようだ。QRコードとキャリア決済の組み合わせによって消費者に現金払い以外の手段を提供し、キャッシュレス化を進めることを大きな目標としているという。