写真●シェルパキャピタル共同創業者のスコット・スタンフォード氏
写真●シェルパキャピタル共同創業者のスコット・スタンフォード氏
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 「アイデアそのものには価値なんてない。それを実現できるかどうか。それが問題なんだ」――。米シェルパキャピタル共同創業者でベンチャーキャピタリストのスコット・スタンフォード氏は断言する(写真)。

 新経済連盟が主催する「新経済サミット」が2015年4月7日、「ベンチャーが成功する秘訣」と題したオープニングセッションで幕を開けた。

 初開催となった2013年の最初のセッションは、Androidの生みの親である米グーグルのアンディ・ルービン氏や米ツイッター創業者の1人で米スクエアのCEO(最高経営責任者)ジャック・ドーシー氏らが登壇。2014年は米オラクルのラリー・エリソン氏が最初の基調講演を務めた。

 今回のオープニングセッションの登壇者は、ベンチャーキャピタリストが3人、スタートアップイベント「Slush」の創設者1人という顔ぶれ。起業家自身が登壇した昨年や一昨年と違い、彼ら彼女らの伴走者たちが、成功するスタートアップ企業の特徴などについて語った。

 同セッションに登壇した1人がスタンフォード氏だ。米ゴールドマン・サックスのネット企業向け投資銀行部門のリーダーを務め、米フェイスブックや米ウーバー・テクノロジーズへの投資に携わってきた。

 多くの起業家と二人三脚で新事業を世に送り出してきた同氏は、スタートアップ企業はビジネスの進化を担う必須の存在と位置づけ、投資家は短期的なリターンを期待するのではなく、長期的視野で支援すべきと警鐘を鳴らす。

 そのうえで起業家に求めるのは斬新なアイデアではなく、それを実現するための原動力、”情熱“であると力説する。