子供の頃、筆者がよく見たアニメにはロボットものがたくさんありました。いつかロボットを作ってみたいと夢見た読者の方もたくさんいらっしゃるのではないかと思います。しかし実際は、ロボットの「頭脳となるソフト」と「身体となるハード」の両方を作って組み上げるなんて、ちょっと自分にはハードルが高すぎると、諦めてしまったのではないでしょうか?

 そんな方に朗報です! 「ラズベリーパイ」(Raspberry Pi)は手のひらに乗るほどコンパクトなサイズでありながら(図1)、れっきとしたコンピュータであり、しかも、外部のハードウエアと簡単に接続する仕組みが搭載されています。自分だけのオリジナルロボットを作るための必要な土台を提供してくれるのです。また、ロボット作りというテーマを通して、ソフトウエアとハードウエアの両方を同時に学べる優れた学習教材でもあります。

図1●手のひらに乗るコンピュータ「ラズベリーパイ」
図1●手のひらに乗るコンピュータ「ラズベリーパイ」
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小学生でも“本当に”分かるように解説

 この連載は、ソフトウエアのこともハードウエアのことも何も知らない読者が一からロボットを作る過程を楽しんでもらうことを目的にしています。基本的には大人の方を対象にしていますが、初めてロボット作りを体験する子供でも理解できるように話を進めたいと思います。ですから、これから子供と一緒にロボットを作ってみたいとお考えの方や、学校のプログラミング学習教材として使いたいという先生方にも楽しんでいただけるのではないかと思います。

 では、どの程度簡単なのか? 日経Linuxと日経ソフトウエアが主催した「みんなのラズパイコンテスト」で、実際にロボットを作って「Rapiro賞」を受賞した小学生(3年生と5年生)でも理解できるレベルだとお考えください。