標的型攻撃で重要資産が狙われる
Webサイト改竄で図らずも加害者に

 攻撃者は企業の重要資産を狙って攻撃を仕掛ける。その手口は巧妙で大規模、長期にわたるという特徴がある。攻撃の段階を知り、対策に役立てたい。

 最適な対策を見極める―。そのために重要なのは、自社が防ぎたい攻撃を把握することだ。企業をターゲットにする攻撃は、ここ1~2年で巧妙化、大規模化、長期化している(図1)。ウイルスをばらまくだけではなく、特定企業を狙い撃ちにする攻撃が横行しており、新たな対策が必要になっている。対策を立てる前に、今起こっている攻撃の特徴を知っておこう。

図1●攻撃は「巧妙化」「大規模化」「長期化」へ
図1●攻撃は「巧妙化」「大規模化」「長期化」へ
攻撃者は効率的に、かつ確実に攻撃し、目的を達成しようとする
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 攻撃の手口は多岐にわたる。このPART3では企業にとって特に注意しておきたいものとして、「標的型攻撃」「水飲み場型攻撃(正規Webサイトを利用した標的型攻撃)」「リスト型アカウントハッキング(アカウントリスト攻撃)」「Webシステムの脆弱性を狙う攻撃」の四つを取り上げる。これらはIPAが2014年版の「情報セキュリティ10大脅威」として挙げた中でも上位にランクインしている。