![ソニー銀行の福嶋達也システム企画部長](/it/atcl/column/15/031600047/110900027/040zu05.jpg?__scale=w:250,h:250&_sh=0ce0320960)
「クラウドは、雲の上にある特別なものではない。サーバーのホスティングサービスの一種に過ぎない」。ソニー銀行の福嶋達也システム企画部長は、AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)についてこう話す。信頼性が求められる銀行のシステムにとってパブリッククラウドの活用は思い切った挑戦のようにも見えるが、同社は必要以上に構えることがない。あくまで自然体で、クラウドの導入を進めている。
2001年にネット専業銀行として産声を上げたソニー銀行。今や口座数は100万件を超え、資産は2兆円超に達する。ITを積極的に活用しながら成長を続けてきた同社が現在取り組んでいるのが、社内システムのAWSへの移行である(図1)。
ファイルサーバーやWebコンテンツ管理などの社内業務をはじめ、銀行業務に関わるシステムも移行の対象だ。インターネットバンキングや勘定系などの基幹系システムはオンプレミス環境に残すが、それ以外の多くはAWSへの移行を決めた。既に、ドキュメント管理などの一部システムはAWS上で稼働している。同時に、米セールスフォース・ドットコムのサービスなど他のクラウド活用も進める。
クラウド移行を進めることで、運用負荷の軽減やコストの削減といった効果が出ている。システムの構築スピードも大幅に上がった。単にAWSを採用しただけでなく、移行を契機として既存システムのOSの入れ替えや構築/運用環境の整備などを進め、「芋づる式に様々な効果が得られている」(福嶋氏)。
クラウドは外部委託の延長線上
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同社がAWSの採用を決めたのは2013年。ただ調査自体は、2011年ごろから始めていた。「必要に迫られてクラウドを検討したわけではない。技術動向をチェックする中で、そろそろクラウドも見ておくべきでは、という流れだった」(福嶋氏)。