全国で約400店舗を持つ不動産売買仲介のハウスドゥは2016年7月に、データウエアハウスの基盤を、米アマゾン ウェブ サービス(AWS)のリレーショナルデータベース(RDB)サービス「Amazon RDS for Aurora」(Aurora)に移行した。Auroraは、AWSが同社のクラウドでの稼働を前提にアーキテクチャーを一から設計した、MySQL互換のRDBサービスで、導入事例が徐々に増えている。
ハウスドゥは物件の状況や顧客関連などの各種データを日次で蓄積、分析・加工し、ウイングアークのBI(ビジネスインテリジェンス)ダッシュボード「MotionBoard Cloud」で可視化している。データ可視化の狙いは「業務に役立つ情報を見つけたり経営層に意思決定を促したりするため」(ハウスドゥ 管理統括本部 情報システム部 専任課長の小野修平氏)だ。
データウエアハウスの基盤として、従来は「Amazon RDS for Oracle」を利用していた。小野氏は「Amazon RDS for Oracleの利用コストが増加したため、Auroraへの移行を考えた」と移行検討に至った理由を語る。
同社の業務システムもAWS上にある。業務システムのデータベースは、Amazon EC2の仮想マシン上で稼働させるMySQLである。
移行先のデータウエアハウスの要件として、MotionBoard Cloudが利用可能、データ移行コストを費用対効果に見合う範囲で抑えられる、既存のデータベースと同等の性能要件を満たせる、といったことを重視した。Auroraはこれらの要件を全て満たしたという。同社にとって、Oracle用とMySQL用のSQLを使い分けていたのをMySQL用に一本化することで、運用保守の工数を軽減する効果も期待できた。