三菱ケミカルホールディングスグループは、プライベートクラウドを2015年4月から順次運用する。これまで日本、米国、欧州で異なっていたクラウドの機能やサービスレベルを標準化。世界約450社のグループ企業が同一サービスを使えるようにする。さらに仮想サーバーのグループ内価格を約3分の1に引き下げた。

三菱化学の四日市事業所
三菱化学の四日市事業所
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 「これまでバラバラに仕事をしていた日米欧の担当者が、1つのチームとして仕事ができた」。三菱ケミカルホールディングスグループのIT子会社、菱化システム 通信統合システム事業部通信システム3部長の臼井芳明氏は、今回のプロジェクトの成果について語る。2015年4月から、仮想サーバーの利用料が従来の3分の1となるプライベートクラウドが稼働する(図1)。海外事業を拡大するため、グループに情報システムを提供する菱化システムとしてどのような貢献ができるか。その答えが、プライベートクラウド基盤のグローバル統一だった。

図1●三菱ケミカルホールディングスグループの新プライベートクラウド提供体制
図1●三菱ケミカルホールディングスグループの新プライベートクラウド提供体制
2015年4月から世界共通のプライベートクラウドを運用
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 三菱ケミカルホールディングスは、連結売上高3兆5000億円(2013年度)、従業員5万6000人を擁する総合化学メーカー。経営戦略として、海外企業との提携やM&A(合併・買収)を掲げている。2010年末に発表した中期経営計画(2011~2015年度)では、2010年度に34%だった海外売上比率を、2015年度までに45%以上に高める目標を掲げた。2013年度時点では、すでに比率は40%まで高まっている。