ホストで稼働中の基幹システムをAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)に移行している。“失敗予算”を用意するなど万全の態勢で、同社初の取り組みに挑む。クラウドならではの活用法に工夫を重ね、インフラコストを20%以上削減。PaaSを活用したビジネス拡大に直結するシステム開発にも取り組む。

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 板ガラスや自動車ガラス、ディスプレイ用ガラスといったガラス製品をはじめ、フッ素樹脂やゴムなどの各種素材の開発/販売を手掛ける旭硝子。2014年の売上高は約1兆3483億円、グループ全体で5万人超の従業員を抱える。その事業を支えるITには、コストを抑えつつビジネス拡大に貢献することが求められる。

 実現に向け、同社は、業務システムにおけるクラウド活用を積極的に進めている。取り組みの柱は大きく二つある(図1)。

図1●旭硝子が進めるクラウド活用の全体像
図1●旭硝子が進めるクラウド活用の全体像
2本柱でクラウド活用を進める
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 ホストで現在稼働中の基幹システムをクラウドに移行し、インフラコストの削減を図る。移行作業が一段落したら、データウエアハウス(DWH)やストリームデータ処理を提供するPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を活用して、大規模データ分析などビジネス拡大につながるシステム開発に乗り出す計画だ。