2015年1月のCESで大きく台頭したウエアラブルデバイスは、Mobile World Congress 2015(MWC2015)でも引き続きスマートウォッチを中心に、新製品が登場した。
さらにMWC2015開幕直前に、会期後に当たる3月9日にアップルが新製品発表会を開催することが明らかとなり、4月の発売が予告されていたApple Watchの正式発表が濃厚となった。既存メーカーはこのApple Watchへの対抗策を打ち出しつつも、同時にスマートウォッチ市場全体の拡大にも期待を寄せる形となった。
本特集の最終回となる第5回では、MWC2015でのスマートウォッチの動向を見ていく。
伸び悩むスマートウォッチ市場の起爆剤とは
2014年、スマートフォンやタブレットに続く新たなスマートデバイスとして、スマートウォッチというカテゴリーが大きく台頭した。
同年6月にはグーグルがAndroid Wearを発表、9月にはアップルもApple Watchを披露するなど、スマートデバイスの両巨頭が相次いで参入したことで、ブレイクまでの道筋が見えたと思われた。
だが、2015年2月に英Canalysが発表した市場調査によれば、2014年に出荷されたスマートウエアラブルデバイスは460万台、そのうちAndroid Wearはわずか72万台と小規模な数値となり、市場の立ち上がりの遅さが明らかとなった。
こうした状況下に起爆剤として期待されてきたのが、Apple Watchだ。販売台数が1000万台規模になると予測する調査機関もある。これが本当なら、2014年におけるウエアラブルデバイス全体の2倍、Android Wearの10倍以上に相当し、市場全体が一気に拡大することになる(写真1)。
スマートウォッチの必要性には疑問符も
だがApple Watchが最初に披露された2014年9月から2015年4月の発売まで、わずか半年の間にスマートウォッチを取り巻く状況は変わってきている。当初の熱は冷め、スマートウォッチのメリットや必要性に疑問が呈される機会が増えてきた。