IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)やPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)を評価する「クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門」では62サービスを評価し、日本マイクロソフトの「Microsoft Azure」など9サービスをベストサービスとして選出した(図1)。

図1●クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門のベストサービス
図1●クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門のベストサービス
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 今回、強さを見せたのは日本マイクロソフトのMicrosoft Azureである。8回目の選出で、前回に比べて総合スコアを2.1ポイント増やして最高得点をマークした。ハードリソース、契約など5分野で満点を得た。この部門の実績分野で満点を獲得したベストサービスはMicrosoft Azureだけだ。

 日本IBMの「IBM SoftLayer」も勢いがある。総合スコアは前回に比べて1.5ポイント増加。ハードリソース、ソフトリソースなど5分野で満点を獲得した。

 ニフティの「ニフティクラウド」も注目に値する。総合スコアが前回に比べて1.2ポイント増加し、5分野で満点を得ている。また、日本ユニシスグループの「U-Cloud IaaS Select」はベストサービスで唯一、保証するサービス稼働率などを評価する信頼性分野で満点を獲得した。

IDCフロンティアが再選出

 ベストサービスに複数回選出された常連サービスが激しくせめぎ合うなか、IDCフロンティアの「IDCフロンティア クラウドサービス」が第8回以来の再選出となった。同サービスはソフトリソース、料金など4分野で満点を得た。同社はヤフーが100%出資する子会社。ヤフーと連携して新サービスを続々と展開している。

 基幹業務システムのクラウド化が進むといったニーズの変化を反映し、今回も配点と評価項目を一部変更した。配点については高信頼、負荷対応、高セキュリティをより高く評価するよう見直した。運用分野を13点から11点に減らし、セキュリティ分野を15点から17点に増やしている。評価項目ではセキュリティ分野で国内データセンターの指定、海外データセンターの指定の評価項目を修正した。複数のデータセンターで災害対策などが行えるかどうかを調べるため、複数の地域から選択して指定可能かどうかまでを尋ねるようにした。

 クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門全体の総合得点の平均は59.3。前回の63.5に比べて4.2ポイント低下した。