特別賞は、企業や一定規模以上の団体の応募作品の中から最も優れたものを選びました。受賞したのは、超小型衛星「ほどよし」に搭載した撮影システムです。ラズパイのカメラモジュールで、地球を実際に撮影した作品です。2014年6月に衛星を打ち上げ、さまざまな写真を撮影しました(図1)。

ほどよし衛星は、内閣府が採択した最先端研究開発支援プログラムにおける、「日本初『ほどよし信頼性工学』を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築」というプロジェクト(ほどよしプロジェクト)で開発されているものです。プロジェクトで実証実験を行うさまざまなミッションの一つが、今回の受賞作品である映像投影/撮影システムです。
2台のラズパイ搭載しシェルを実行
実証実験のための搭載機器スペースには、最大5Wまでの電源が供給され、データ回線を利用できます。これを利用することで、ラズパイの撮影システムを構築しています。

搭載機器スペースのきょう体内に、2台のラズパイを設置(図2、図3)。このラズパイに、専用カメラモジュールをはじめとした、さまざまな撮影用機材を搭載しています(図4)。それぞれのラズパイのハードウエア構成は同一ではありませんが、一方が万が一故障した場合にも、もう一方のラズパイで別ミッションを実行できるようになっています。1台のラズパイには、RGBカメラ、液晶ディスプレイ、温度センサー、照度センサーを搭載しています。もう1台のラズパイには、NoIR(赤外線)カメラ、USBカメラを搭載しています。実験では、USBカメラによるタイムラプス撮影や赤外線カメラによる動画撮影に成功しています。