TPRobot's夢工房が作った、「くるる」と「ぐるる」は共同で働く洗車ロボットです(図1)。マグネット付きのくるるは、車の表面を這ってモップ掛けしてくれます。汚れセンサーで取れない汚れを見つけると、ぐるるを呼び出します。マルチコプターのぐるるはラズパイの専用カメラモジュールで、車、くるる、汚れの順に認識して近付いていきます。そしてモップの角度を合わせて回転させて汚れを取る仕組みです。

図1●洗車ロボットの「くるる」と「ぐるる」
図1●洗車ロボットの「くるる」と「ぐるる」
くるるはArduino、ぐるるはラズパイで動く。
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“毛ばたき”をヒントに開発

 モップ掛けをしてくれるくるるは、運転手付きの高級車でよく見かける「毛ばたき」をヒントに開発したものです。車の表面に付いた埃などは放っておくと表面に吸着してしまいますが、こまめに毛ばたきをすれば簡単に取れるそうです。それを人はなかなか毎日続けられないですが、ロボットなら可能です。

図2●くるるの裏側
図2●くるるの裏側
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 くるるの裏面には、強力なマグネットが付いていて車の表面に吸い付きます(図2)。表面を移動するタイヤは特殊なもので、斜めに接地し、接地面を増やしつつも重心を低く保って移動します。ゴミは埃吸着用モップで吸着し、最後部にはゴミの取り残しを検知するための色覚センサーを備えています。