米国のクイズ番組「ジョパディ!」でクイズ王に勝利し、一躍脚光を浴びた米IBMの質問応答システム「Watson」は、もはや同社の技術力を示すための広告塔ではない。IBMはWatsonを単独で販売するだけでなく、クラウドサービスなどを売り込むための“キラーコンテンツ”に仕立て上げようとしている。

 一例が、2015年2月22日~26日に開催した「InterConnect 2015」で発表した「Watson Zone」である。IBMのPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「Bluemix」上で、「Watson」のAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)やサンプルコードなどを提供するサービスだ(写真1)。

写真1●「Bluemix」上で、「Watson」のAPIなどを提供する「Watson Zone」
写真1●「Bluemix」上で、「Watson」のAPIなどを提供する「Watson Zone」
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 初日のゼネラルセッションで、Watson Zoneを発表したWatson事業統括のシニア・バイス・プレジデントであるMike Rhodin氏は、「コグニティブ(認知)技術を、みなさんのハイブリッドクラウドやモバイルアプリで使えるようになる」と力を込め、「Bluemixで、世界を変えていく」と続けた(写真2)。

写真2●「Watson Zone」を発表する米IBM Watson事業統括のシニア・バイス・プレジデントであるMike Rhodin氏
写真2●「Watson Zone」を発表する米IBM Watson事業統括のシニア・バイス・プレジデントであるMike Rhodin氏
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 IBMはInterConnect 2015の開催期間中に、Bluemix上でのアプリケーション開発に利用できる機能として、五つのWatson関連サービスを追加することも発表している。