事業部門の担当者が、事業の構造を知るために生データを分析する。膨大なデータから何らかの傾向を見い出すためには、何度も切り口を変えて集計を繰り返す必要がある。前回は、Excelの延長で利用できる「Power BI」と、試行錯誤の繰り返しに適したツールとして「Tableau(タブロー)」を紹介した。今回は、Tableauの特徴やそのほかのツールとの連携について解説する。

 Tableauには、パソコンにインストールして使う「Tableau Desktop」、サーバーで使う「Tableau Server」、クラウドの「Tableau Online」などがある。Tableau Desktopの1ユーザー構成で25万円から。Excelのアドオンで使える「Power BI」は別にして、データ分析専用のツールとしては比較的安価だ。事業部が導入するにしても、ハードルは低いといえるだろう。

付けた属性のチューニングが重要

 Tableauのメリットを解説する前に、今回の特集で取り上げているデータ分析では具体的にどういった作業が発生するかをもう少し説明しておこう。第1回でも触れたように、今回は事業部が扱っている生データに対して「2次属性」を付与して「クロス集計」を繰り返すことで事業構造を分析する、という手法を紹介している。

 例えば、分析対象が何らかの購買データだとする。生データには、商品コード、メーカー名、販売価格、時間、日付、担当者などが含まれているだろう。購入者が分かる顧客IDが入っていれば、別のデータと組み合わせて購入者の年齢や性別、居住地が分かる。同様に、商品コードをキーにして、商品名や希望小売価格をひも付けられるかもしれない。