身近なオープンデータを簡単に公開して、アプリ化できるとして注目されているWebサイトがある。「LinkData.org」だ(図1)。理化学研究所 生命情報基盤研究部門長の豊田哲郎氏や、同情報基盤センター リサーチアソシエイトの下山紗代子氏らの研究グループが開発し、2014年10月に一般社団法人リンクデータを立ち上げた。

図1●LinkData.orgのトップページ
図1●LinkData.orgのトップページ
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 オープンデータとは、行政や企業が商用を含めて自由に加工・再配布できるように公開したデータのこと。政府や地方自治体を中心にオープンデータを積極的に進めており、身近な社会的課題解決から、企業がビジネスに役立てることもできる。オープンデータを活用した新たなビジネスも登場している。

 とはいえ、日本でのオープンデータ活用は道半ばだ。地域住民に身近なデータを多く保有する地方自治体のうち、オープンデータに取り組んでいるのは2015年2月現在で100自治体だという。データ公開のノウハウや基盤を持たない自治体がまだ多いためとみられる。

 そこで注目されているのが、データやアプリ、アイデアの作成と公開を支援するプラットフォームであるLinkData.orgだ。データを公開すれば素早くアプリ化できる。

市民の提案でデータ公開

 LinkData.orgは4つのWebサイトからなる。CSVやExcelデータなど表形式のテーブルデータの変換と公開ができるのが「LinkData」である。表形式データをアップロードするだけで、オープンデータの国際標準形式に自動変換して公開できる(図2)。

図2●Excelデータをアップすれば国際標準形式に自動変換してデータ公開
図2●Excelデータをアップすれば国際標準形式に自動変換してデータ公開
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