KDDI(au)は、NTT東西の「光コラボレーションモデル」を活用した光回線サービスの販売にひっそりと乗り出した。「日本ネットワークイネイブラー」(JPNE)を通じ、「ひかりJ」の名称で8月にサービスを開始済み。9月からauショップでも取り扱いを始めた。ただし、提供の狙いは「転用の刈り取り」にとどまる。

 ひかりJの月額料金は、戸建て向け(ホームタイプ)が5700円、集合住宅向け(マンションタイプ)が4500円(ともに「ひかりJ電話」の料金:500円を含む)。auの携帯電話とセットで利用すると、契約プランに応じて「500円」または「1200円」を光回線の毎月の料金から割り引く。朝日ネットやエディオン、ソネット、ドリーム・トレイン・インターネット、ニフティなどのインターネット接続事業者(プロバイダー)と展開する「auセット割」と同じ建て付けとした。

 とはいえ、主軸はあくまで「auスマートバリュー」。auショップでは「auひかり」や提携の固定通信サービス、Wi-Fiルーター(UQコミュニケーションズを含む)などの契約獲得を優先するが、ひかりJの投入で囲い込みを促進したい考え。

 特に顧客が集合住宅の場合、光回線の切り替えを促しても管理組合の承諾を得なければならないので難しい面があった。フレッツ光を引き込んでいる集合住宅は多く、auのユーザーを中心に転用で刈り取りを強化できるほか、NTTドコモやソフトバンクのセット割への流出を防ぐ効果も見込める。