「プロジェクトK」――。今、NTTドコモの社内ではこのような社長直轄のプロジェクトが、K1からK4まで4つ立ち上がっていることが判明した。同社の加藤薫社長のイニシャルKを使ったプロジェクト名だ。

 このプロジェクトKの位置づけについて、あるドコモ幹部は「社外を含むコラボレーションがほとんどで、通常の組織にとらわれずにチャレンジしていくプロジェクト」と打ち明ける。K1からK4までのプロジェクトの中には、プロダクトもあればサービス、さらにはネットワーク面の取り組みもあるという。

 そんなプロジェクトKの一つが「ドコモBOX」と呼ばれているプロジェクトだ。テレビと接続するSTB(セットトップボックス)であり、家庭内のサービスの中心となる戦略的な機器となる。

 実はこのドコモBOX、同社が1月29日に開催した「ドコモ光」の詳細発表の席で加藤社長がその一端を披露した。ドコモ光の開始に伴って順次、VOD(Video On Demand)サービスやホームセキュリティなど家庭内サービスを提供していくと予告したからだ。

 加藤社長が「ドコモにとってエポックな出来事」と位置づけるドコモ光は、紆余曲折を経て3月1日から正式スタートする。加藤社長はその狙いについて「サービスのワンストップ化」「新料金プランとのシナジー効果」に次いで、「スマートホームの推進」も掲げる。

 実はこのスマートホームの推進は、対総務省という観点からも、ドコモが是が非でも力を入れる必要があるようだ。「単にセット割を提供するだけでは、監督官庁に対しても示しが付かない」とあるNTTグループの幹部が語るように、何らかの付加価値を伴った新しいサービス像を示してこそ、ドコモが新たに光回線を取り扱う意義があるからだ。

 ドコモはスマートホーム分野において、ドコモBOX以外にも様々なサービスを準備中である。多様なパートナーと連携したホームセキュリティや家電連携、スマホやタブレットを利用したセカンドスクリーン、ライブ中継プラットフォームを利用した映像共有などを今後、市場投入する見込みだ。