Windows Server 2003のサポート終了が目前に迫っています。移行先の選択肢となる最新のサーバーOS、Windows Server 2012 R2について、これまでのバージョンと何が変わったのかを中心に解説します。前回に引き続いてマイクロソフトのサーバー仮想化ソフト「Hyper-V」についてです。


Windows Server 2012 R2 Hyper-Vにおける変更

 Windows Server 2012 R2 Hyper-Vは、Windows Server 2012 Hyper-Vをベースに、機能の改善と強化が行われています。

第2世代仮想マシン

UEFIベースのファームウェアを持つ第2世代仮想マシンが提供されます。第2世代仮想マシンは、エミュレートされたデバイスを持たない、仮想環境に完全に最適化されたハードウェア環境を提供し、セキュアブートに対応しています。従来のHyper-Vと互換性のあるBIOSベースの仮想マシンは第1世代として引き続きサポートされます。

拡張セッションモード

 [仮想マシン接続](VMconnect.exe)ツールで拡張セッションモードが利用可能になります。拡張セッションモードは、仮想マシンのコンソール接続にリモートデスクトップ接続の機能を利用しており、ホストとゲストとの間でクリップボード共有やデバイスのリダイレクト、双方向オーディオ、マルチモニターなど、リモートデスクトップ接続と同等のエクスペリエンス機能を提供します。

ゲストサービス

 Windowsゲスト向けの統合サービスに[ゲストサービス]が追加され、Copy-VMFileコマンドレットを使用したホストからゲストへの、ネットワークを使用しないファイルコピーを可能にします*1

*1 新しいLinuxバージョンの一部には、Windowsゲスト用のゲストサービスに相当するデーモン(hypervfcopydまたはhv_fcopy_daemon)が標準提供されており、Copy-VMFileコマンドレットによるファイルコピーをサポートしています。筆者が確認している限り、Red Hat Enterprise Linux (RHEL)6.6、Cent OS 6.6、Oracle Linux 6.6、SUSE Linux Enterprise Server(SLES)12、openSUSE 13.2、Ubuntu 14.10/14.04がCopy-VMFileコマンドレットに対応しています。