Windows Server 2003のサポート終了が目前に迫っています。移行先の選択肢となる最新のサーバーOS、Windows Server 2012 R2について、これまでのバージョンと何が変わったのかを中心に解説します。今回はマイクロソフトのサーバー仮想化ソフト「Hyper-V」についてです。


Hyper-Vの変更点

 Hyper-Vは2008年6月に初めて登場して以来、次のようにバージョンアップを続け、スケーラビリティと機能を強化してきました。

Windows Server 2008 Hyper-V

 2008年4月にリリースされたWindows Server 2008には、Hyper-VのRC(製品候補版)バージョンが搭載されていました。Hyper-Vの正式版は、2008年6月に完成し、追加提供されました。これがHyper-Vの最初のバージョンであり、Hyper-V 1.0と呼ばれることもあります。

Windows Server 2008 R2 Hyper-V

 2世代目のHyper-Vです。Hyper-V 2.0と呼ばれることもあります。スケーラビリティの向上(論理プロセッサ数24から64へ拡大)、SLATやVMQ(Virtual Machine Queue)などのオフロードテクノロジへの対応、SCSIディスクのホットアド/リムーブ対応、Hyper-Vホストクラスターにおけるライブマイグレーション機能の提供、リモートデスクトップサービスのVDIへの仮想化プラットフォームの提供など、数多くの新機能の追加と改善が行われました。

Windows Server 2008 R2 SP1 Hyper-V

 動的メモリのサポートの追加、リモートデスクトップ(RD)仮想化ホストとしてRemoteFX 3Dビデオアダプターの提供など、主にVDI対応機能が強化されました。

Windows Server 2012 Hyper-V

 変更点については後述します。

Windows Server 2012 R2 Hyper-V

 変更点については後述します。


メモ:Hyper-Vにバージョン番号はない

 Hyper-VはWindows Serverの標準の役割であり、個別にバージョン番号が付与されるものではありません。初期のバージョンはHyper-V 1.0やHyper-V 2.0と呼ばれることもありましたが、以降のバージョンをHyper-V 3.0やHyper-V 4.0と呼ぶことはありません。本書では、マイクロソフトの表現に従って、OSの名称+Hyper-Vの形式でHyper-Vのバージョンを表記しています。