山内:ところで、そもそも佐藤さんはどうしてednityのようなサービスを始めようと思われたんですか。
佐藤:僕は元々、教えることが好きだったんです。中学生くらいのころは、もしかしたら学校の先生は天職なのではと思ったこともありました。
一方で、世の中に大きなインパクトを与える仕事をしたいという思いもありました。僕の実家はお寺なんですが、お寺を継ぐとかレールが敷かれているみたいな人生は嫌だなと思っていて、自分で何かやりたいと考えていました。高校3年生のときには、漠然とですが社長になりたいと思っていました。
大学生になって米国に行く機会があったんですが、そこであるNPOのプログラムに参加しました。社会問題をどう解決するかをグループで設定して取り組んでいくんですが、そこで訪れた学校で見た環境が、すごくぴんと来たんです。
その学校はチャータースクール(保護者や地域の団体などが認可を受けて設置する学校)だったんですが、とても良いコミュニティができていました。保護者を事務員として雇用していたり、地域の人が学校の運営に関わっていたり。学校をハブとして、人と人との信頼関係、良い人間関係ができているのが理想的だと思いました。
日本の先生も、もっと生徒とコミュニケーションする時間を取りたいと考えています。でも校務に割く時間が多すぎて、なかなか時間が取れません。情報を共有する文化を創ることで校務の効率化し、良いコミュニティを作って学習を支えるチームを形成するお手伝いをしたいと考えました。
先生も生徒も保護者も、日常ではスマートフォンを活用してオンラインでコミュニケーションを取っています。まずednityで実現したいことは非常にシンプルで、学校でも日常と同様にコミュニケーションを取れるようにすること。つまり、「学校環境を社会環境に近づけること」を目指しました。
山内:そういう背景があって、ednityが誕生したんですね。