山内前回、国内8社の企業が「Cooori」を早期導入しているとのことでした。成果は見えてきましたか。

イェンソン:2016年1月に最初の12週間が終わり、現在は結果をまとめているところです。Coooriの受講前と受講後のTOEICの点数を比較して、効果を測定しています。

 集まっている結果が少ないのでまだ正確なことはお話しできないのですが、現段階では、我々が当初想定していたよりも良い結果が出ています。12週間でTOEICの点数を100点アップさせることを狙っていましたが、今のところそれよりも短い期間で同様の成果が上がっています。

コーリジャパンのアルナ・イェンソンCEO(最高経営責任者)
コーリジャパンのアルナ・イェンソンCEO(最高経営責任者)
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山内:それは驚きですね。どうして、それほどの成果が出せるのでしょう。

イェンソン:人工知能(AI)が大きな要因であることは確かです。Coooriは、受講者が使えば使うほど、受講者の傾向を学習していきます。そして、学習内容を個々の受講者に最適化させていきます。まさに、全員に対して“自分に合った先生”を実現できるわけです。

山内:その点についてもう少し詳しく教えていただけますか。AIがあることで、なぜ個々の受講者にとって最適な学習が可能になるのでしょう。

AIで語学学習を効率化させる仕組み

「技術的特異点」などのテーマに沿ったストーリーを通じて、英語を学ぶ。画面はスマートフォン版
「技術的特異点」などのテーマに沿ったストーリーを通じて、英語を学ぶ。画面はスマートフォン版
(出所:コーリジャパン)
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イェンソン:AIには様々な種類があります。とてもシンプルなAIから、複雑なAIまで幅広いのですが、私たちはものすごく複雑な仕組みを作っているわけではありません。シンプルなものと複雑なものの中間くらいのシステムを作っているというのが今の段階です。

 基本にしている考え方は、会話で使える単語を定期的に学習し、習得を促すというものです。会話で役に立つ単語を多く身に付けることで、英語でのコミュニケーション能力を高めます。「この受講者が今、どんな単語を学習すべきか」をAIで導き出し、出題しています。

 具体的に見ていきましょう。Coooriでは、12種類のカテゴリーの教材を使って学習を進めます。教材はそれぞれ、「技術的特異点」「イーロン・マスク」のようなテーマに沿った内容になっています。個々のテーマに関する文章を読んだあと、クイズ形式の問題に取り組む形式です。