山内:前回まで、医進・サイエンスコースにおける研究活動について詳しく伺ってきました。こうした成果を生み出す上で、1人1台の端末はどんな役割を果たしているのでしょうか。

木村:医進・サイエンスコースでは、1人1台のiPadまたはChromebookを活用しています。2013年度まではiPadでしたが、2014年度からChromebookに変えたので、今の1年生はChromebookを持っています。2期生からは、生徒が買い取りの形で購入して、毎日学校に持ってきています。

 まずiPadについてお話しすると、そもそもiPadにこだわっていたわけではありませんでした。4年ほど前、導入を検討していた時期にiPadを触ってみたら、起動が速くて軽く、値段もそこそこでした。元々はパソコンにしようとも思っていたのですが、高価になってしまうこともあって、iPadに決めました。

 とにかく私たちがやりたかったのは、生徒たちがWebにつながって、日常的に論文を読めるようにする、ということだったんです。iPadは、その要件を十分満たしていました。

iPadで論文を開いているところ。英語の論文は、辞書ツールなどを活用しながら読み進める
iPadで論文を開いているところ。英語の論文は、辞書ツールなどを活用しながら読み進める
iPadで論文を開いているところ。英語の論文は、辞書ツールなどを活用しながら読み進める

論文の内容を引用しながら、自分の考えをまとめていく
論文の内容を引用しながら、自分の考えをまとめていく

iPad導入の出発点は、論文とグループウエア

山内:前編の冒頭にも少しお話がありましたが、ルーツはここにあるんですね。論文を世界中から取ってきて読むためのツールが必要だった、そのためにiPadを導入したというわけですね。