[連載 第5回] 内省で得た気づきは、実践しなければ意味がない。とはいえ容易ではない。まずは、すぐにできる小さなことから始めよう。最初は小さな変化でも、繰り返すことで自己変革につながる。自分の行動を客観的に見つめることも可能になり、行動している最中に内省することもできるようになる。

 これまでの連載では、書くことや対話することで気づきを得る方法について解説してきた。次のステップでは、いよいよ、その気づきを実践する。

 気づきの実践は、これまでの行動を変化させることに他ならない。しかし、自分が行動を変化させたと思っても、周囲の人がそれを認めるには時間がかかる。特に、良くなったという評価はなかなか得られないものである。そこで今回は、気づきの効果的な実践について考えてみたい。

 この連載では、チームリーダーが定期的に集まって、内省と対話の場(ワークショップ)を持つことを勧めている。内省と対話を繰り返すことで気づきを得て、行動の変化につなげることが目的だ。

 企業内でワークショップを行う際には、人事部が主催することが多い。ワークショップの様子を見た人事部の人の中には、次のような感想を漏らす人がいる。「内省と対話を繰り返すことで気づきを得る。やろうとしていることは分かりますよ。でも、同じことを繰り返しているように見えて、行動が変化しているのかどうか分かりません。毎回、どのように行動を変えるのかを一人ひとりに宣言させてチェックしないと確認できないね」。