米国の巨大企業GEが、ドローン市場に参入した。傘下のGE Venturesがドローンのベンチャー「Airware」に出資し、技術開発を支援する。同時に、GEはドローンを活用したビジネスを展開する。自社でドローンを使うだけでなく、Airwareが開発しているOSで小型無人航空機の標準化を推進する。Googleがスマートフォン事業を、Androidを基盤に展開しているように、GEはドローンのシステムを標準化することで、同市場での覇権を狙っている。

GEはAirwareへ投資

出典: Airware
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 GE Venturesは先月、Airwareへの投資を発表した。Airwareはサンフランシスコに拠点を置くベンチャー企業で、ドローン制御装置「Autopilots」を開発している。Autopilotsは、スマートフォンでいえばプロセッサーとOSに相当する。Autopilotsを搭載してドローンを制御するとともに、ドローン間で互換性を持たせる狙いがある。Autopilotsを業界の標準仕様とすることで、ベンダー間で互換性のあるドローンを制作できる。上の写真は、ドローン先頭部にAutopilotsを搭載する作業をしている様子だ。

 GEはAirwareの製品開発や販売を手助けするだけでなく、戦略パートナーとして自らドローンを活用することを公表した。GEはドローンの将来性を高く評価。ドローンを空飛ぶセンサー(Sensors in the Sky)と位置付け、業種別にソリューションを開発する計画だ。石油、ガス、電力、運輸業界で、ドローンの活用を始める。

 具体的には、石油パイプライン、高圧送電線、ウインドタービンなど、フィールド施設の検査にドローンを利用する。GEはこの職種を4D(dull、dirty、dangerous、distant)と呼び、人間が対応するのは適切でなく、ドローンで機械化するとしている。米国版4Kの改善に、ドローンで取り組むプランを描いている。