米国の若者は、急速にキャッシュレス化している。例えば、食事代の精算は、スマホアプリで送金する。現金を手渡すと迷惑がられるほどだ。

 この背後には、急速に広がる送金アプリの台頭がある。多くのアプリは送金手数料が無料で、若者たちはこの恩恵にいち早く飛びついた。手数料をアプリ側が負担するのは、会員数を増やすのが狙いだ。しかし現時点では、ビジネスモデルは見えてこない。大きな変革が起こりそうな、米国金融サービスをレポートする。

出典: VentureClef
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流れを作った「Venmo」

 先駆けになった企業が、ニューヨークに拠点を置く「Venmo」だ。Venmoは、ピアツーピア支払い(Peer-to-Peer Payments)と呼ばれる金融サービスを提供。会員間で簡単に送金できるうえに、送金内容がフィードに公開される(上の写真)。金融サービスに、ソーシャルネットを取り入れた構成となっている。Venmoは2009年に設立され、2012年には決済クラウド企業「Braintree」に買収された。さらに2013年には、PayPalがBraintreeを買収。現在は、PayPalの親会社eBay傘下で、事業を展開している。