2014年11月20日付日本経済新聞などのメディアが、自民、公明両党が政権公約として、消費税率を10%に引き上げるのと同時に「軽減税率」の導入を目指す方針を盛り込むと報じた。この軽減税率の行方を、IT部門や関連ベンダーの担当者はウォッチしておいた方が良さそうだ。

 軽減税率とは、税負担軽減のために特定の品目などに対して標準税率よりも低い税率を設定する考え方を指す。食品など生活必需品が対象になるとみられるが、より広範囲に適用される可能性もある。

 自社が扱う製品・サービスが軽減税率の対象になった場合、情報システムにはこれらに対して個別に消費税率を設定する機能が必要になる。「消費税率が一律であることを前提としているシステムへの影響は大きい」と、あるコンサルタントは指摘する。

 当初は、消費税率を現行の8%から10%に引き上げる時期を2015年10月としていたが、自公両党の政権公約では実施時期を2017年4月としている。消費税率引き上げと同時に軽減税率を実施するのであれば、準備期間は2年以上あるわけで、「今から対策を考えなくてもよい」と思われるかもしれない。

 それでも軽減税率に関する今後の状況をウォッチするとともに、自社のシステムが軽減税率に対応できるかどうか、さらに消費税率が2桁になった際にシステムに問題が生じないかどうかを、今のうちに確認しておきたい。「古いシステムの場合、2桁の消費税率を想定していなかったり、請求書に2桁の消費税率を印字するスペースがなかったりする」(コンサルタント)ケースもあるからだ。