今週公開された中で、「なるほど」と思う記事2本があった。

 1本は、ネットワークインテグレーターのネットワンシステムズが運営する、技術者養成スクールの講師を務める坂田玲子氏のインタビュー記事だ(【インフラ技術者はこうして学んできた】 業務は完璧でも、基礎知識がない技術者は多い )。坂田氏は「技術を学ぶ際には、まず基礎を押さえることが大事。ネットワークであれば、TCP/IPというプロトコルの細かい動きを学ぶことからはじめるべき」という。TCP/IPは、ネットワーク関係者にとっては基礎中の基礎とも言うべきプロトコルで、こんな基礎から勉強しなければならないのかと思ったが、坂田氏によると、実際に業務は完璧だけれども基礎知識がない技術者は意外に多く、基礎知識に欠ける人はトラブルを乗り越える力が弱いという特徴があるという。

 もう1本は、シンプルアーキテクト代表の牛尾剛氏が英語学習の体験記について記した人気コラムだ(アジャイルの流儀で英語に挑戦![挫折と挑戦編1]日本人が英語を話せない本当の理由)。ここで牛尾氏は、英国でテストを受けた結果、日本で受けた時より2ランクも低い結果しか出ず、ショックを受けたと記している。再度テストを受けたり、授業を受けたりしているうちに、その原因に気付く。実は、レベルが低いため学習する必要がないと思ってスキップしたレベルの知識が足りないために、テストで思ったような結果が出なかったのだ。

 牛尾氏の「自分にとって重要なのは『自分にできることに着目する』のではなく『自分ができないことに着目する』こと、という言葉は心に響いた。当たり前のことかもしれないが、実践するのは簡単ではない。筆者も、ほこりをかぶった基礎知識をもう一度磨いてみようと思う。