2014年11月17日、また一つ面白いMVNO(仮想移動体通信事業者)の格安SIMの発表があった。フリービットが同社の「freebit mobile」の基本通信速度の増強や「高速チケットオプション」の値下げなど、12月からさまざまなサービスを拡充すると発表したのだ(関連記事:freebit mobileが事業開始1年を期に速度倍増など機能を向上)。

 同社のサービスは、大手携帯電話事業者のサービスとは異なり、低速の基本通信と“イザ”というときの高速チケットオプションを組み合わせたもの。ただし、12月からはこの高速チケットオプションが100MB当たり250円(税別、以下同)から1GB当たり300円と大幅に割安になるため、高速通信が使える場面も格段に増える。

 フリービット以外にも、大手携帯電話事業者とは根本的に異なるサービスを提供するMVNOはいろいろとある。11月からU-NEXTは、新プランの「LTE使い放題プラン」を始めた。月額料金がデータ専用で2480円と、格安SIMとして若干高いものの、速度制限を施さないLTE通信が使いたい放題というのは驚きのサービスだ。(関連記事:U-NEXTがモバイルサービス新プラン、データ通信が速度制限なし使い放題で月額2480円から)。大手事業者には絶対にマネできないと言っても過言ではないだろう。

 MVNOによるサービス競争は以前から活発ではあったが、この秋から競争が突然激化したように見える。その背景には、SIMフリーのiPhone 6/6 Plusの発売などSIMフリースマートフォンの新機種が続々と登場していることや、総務省が携帯電話事業者に対してSIMロック解除を義務化しようとする動きがあることなどがある。これからも、MVNOの動向には目が離せない(関連記事:格安SIMの通信容量が突然2倍以上に、その背景に「絶好の商機」あり)。