日本経済新聞は2014年11月4日、地方銀行大手の横浜銀行と第二地銀の東日本銀行が経営統合すると一面で報じた。経営統合が正式に決まった場合、注目されるのは勘定系を中心とする両行の基幹システム統合の行方である。

 横浜銀行が利用しているのはNTTデータが開発・運用する「MEJAR」。中核にNTTデータの勘定系パッケージ「BeSTA」を採用。横浜銀行のほか北陸銀行、北海道銀行が利用しており、七十七銀行も参画を表明している(関連記事:七十七銀行、基幹システムを横浜銀行などと共同化へ)。

 一方、東日本銀行の勘定系システムは紆余曲折を経てきた。当初は富士通が開発した地銀向けシステムを大光銀行と共同利用していたが、2002年にNECのオープン系勘定システム「BankingWeb21」の採用を決定。しかし、BankingWeb21の開発遅れから2005年に採用を撤回(関連記事:NECに衝撃、東日本銀がオープン勘定系の採用を白紙撤回)。その後、富士通とアウトソーシング契約を結び、2006年に富士通と設立した富士通バンキングインフォテクノが開発・運用を担当している。

 経営統合する2行の規模を考えると、基幹システムは横浜銀行側に片寄せするのが自然だろう。そうなると、富士通は勘定系システムの貴重な顧客を失うことになるが、何らかの形で富士通が巻き返す可能性もあり得る。今後のシステム統合の行方を注視したい。