KDDIやソフトバンクグループなど通信事業者やCATV事業者各社が総務省にNTT東西による光回線の「サービス卸」の料金公表を求めて要望書を提出した(NTT東西は光回線の卸料金を公表せよ、通信大手など263者が総務大臣に要望書)。

 平たく言えば、NTTドコモが将来、スマートフォンと光回線をセット販売することに対して、NTTドコモだけが有利にならないように今からくぎを刺しておく、ということだと筆者は理解している。

 例えば今回要望を出したKDDIは、NTT東西が光回線を卸す場合、最も大きなパートナー企業はNTTドコモになると見ている。NTT東西はサービス卸の提供料金は秘密保持契約を結んだパートナー企業だけにしか開示しないとしているため、その公平性に疑問を投げかけているのだ。

 光回線とスマートフォンのセット販売は、通信コストや初期導入コストの削減が期待できるため、魅力に感じる方も多いだろう。ただ、筆者個人としては、自宅でスマートフォンを使う場合でもLTEで通信して何も困っていない家人を見たり、引っ越しのことを考えたりすると、セット販売の対象ユーザーは限られると思っている。

 NTT東西のひかり回線卸については、光回線とスマートフォンのセット割の話題が多いが、「スマートホーム」やヘルスケアサービスの実現などのために、不動産開発業者など、これまで通信とは縁遠かった企業の利用が進むことを筆者としては期待したい。