写真●パナソニックの「Let's note RZ4」。「Core M」を搭載し、「Office Premium」プリインストールモデルもある。いかにも2014年秋モデルらしいノートパソコン。
写真●パナソニックの「Let's note RZ4」。「Core M」を搭載し、「Office Premium」プリインストールモデルもある。いかにも2014年秋モデルらしいノートパソコン。
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 パソコン秋モデルが各社から登場する時期となった。昨年にくらべると、ソニーがVAIOに変わり、東芝が個人向けを縮小するというので、ずいぶんプレーヤーが減ったことになる(関連記事:東芝、個人向けPC事業を大幅に縮小、一部撤退も)。それでも、面白くなる要因が2つある。Officeの新サービスと「Core M」だ。

 マイクロソフトは2014年10月1日、個人向けのOffice製品を発表した。この発表があるまでは、米国では個人向けにもOfficeのサブスクリプションモデルである「Office 365」が提供されているが、日本では未提供。既にプリインストールモデルが浸透している日本市場で、サブスクリプションモデルをどのように展開するかが興味深いところだった。

 パソコンへのOfficeプリインストールがなくなる可能性もあったはずだが、ふたを開けてみると、プリインストール版OfficeにOffice 365を融合した「Office Premium」と、個人向けのサブスクリプション版「Office 365 Solo」の2つが登場した。日本市場向けの特別版である(関連記事:マイクロソフトが個人向け新Officeを発表、ナデラCEOも登壇)。

 パソコンにプリインストールされる「Office Premium」では、デスクトップ版のOfficeは永続ライセンスとなる。つまり、そのパソコンを使い続ける限り、新しいバージョンのOfficeに無料でバージョンアップできることになる。個人ユーザーにとって、新しいOfficeがどれだけ魅力なのかは微妙なところだが、少なくともOffice 2003のようにサポート終了でバージョンアップしなければならず、出費も必要な事態にはならないのは、面倒がなくていいのかもしれない。

 もう一つの「Core M」は、インテルが発表した新CPUだ。この秋から、Core Mを搭載したノートパソコンが登場する。Core Mは消費電力が少なく、バッテリー駆動時間を長くできる。今までの大きさで、バッテリー駆動時間の長いパソコンを作ることもできるし、バッテリーを小さくして、より軽量で薄いパソコンを作ることもできる。AndroidやiPadなどのiOSデバイスに対抗できるモバイルパソコンを開発できるのだ。

 こういった状況で登場したのがパナソニックの「Let's note(レッツノート) RZ4」(写真1)だ(関連記事:“タブレットキラー”なるか? 重さ745gのノートPC「Let's note RZ4」発表)。「Core M」を搭載し、本体を745gと軽量化し、バッテリー駆動時間は10時間ある。そしてOffice搭載モデルは「Office Premium」をプリインストールしている。価格は16万円からと、高めではあるが、サイフと相談したくなる魅力は備えている。これから各社から登場するパソコンも去年よりは面白そうだ。はたして、どれくらいユニークな製品が登場するか、チェックしていきたい。