今日から3回の連載で、「脳に挑む人工知能」という記事をお届けする(記事はこちら)。その中で取り上げているディープラーニングは、今後のコンピュータ・人工知能開発の新しい流れとなる可能性がある。生物の脳神経細胞であるニューロン細胞のネットワークを模したものだ。

 特徴は、コンピュータが自力でアルゴリズムを設計する点。例えば、これまでの物体認識技術では、専門家がきめ細かく設計していたが、その必要がなくなる。大量の画像データをコンピュータに読み込ませて学習させると、コンピュータが自ら導き出すのだ。

 コンピュータを劇的に省電力化する新アーキテクチャの実現や、脳が人間に知性をもたらす秘密の解明につながる可能性があると言われている。また、ここに使われている物体認識技術の原型は、35年前に日本人が作ったものだ。詳しくは、記事をごらんいただきたい。

 既に、米グーグルや米フェースブック、米マイクロソフト、米IBM、中国百度が、ディープラーニングの研究に多額の資金を投じている。日本でも、デンソーアイティーラボラトリが物体認識のデモンストレーションを実施するなど、事業に応用しようと企業が既に動き出している。今後の動きに注目したい。