いまや、大半のビジネスパーソンが業務に電子メールを使っているだろう。メールの読み書きは、ビジネスのイロハと言っても過言ではない。

 ところが、ビジネスメールの常識というものは案外、人によって違うものではないだろうか。例えば、メールの文面における挨拶で「おはようございます」と書くのは、アリなのだろうかナシなのだろうか(関連記事:メールの挨拶で「おはようございます」はあり? なし?)。

 メールは非同期型コミュニケーションなので、相手がいつ読むか分からない。そう考えると、朝の挨拶である「おはようございます」はおかしいと言える。一方で、メールはコミュニケーションツールとして、もはや無くてはならない存在であり、朝一番にチェックする人も多いだろう。だとすると、朝イチに出すメールでは「おはようございます」と挨拶しても、おかしくないと言えるかもしれない。

 挨拶一つとっても、このように判断が分かれるビジネスメール。では、ビジネス上の主要なコミュニケーションツールとして、企業などでは利用研修が行われたりしているのだろうか。おそらくは、ほとんどの人が研修などを体験したことはないのではないかと思われる。

 日本ビジネスメール協会が6月から7月にかけて実施した「ビジネスメール実態調査2014」では、「あなたの会社でビジネスメールの社員研修はありますか?」という問いに対して85.44%が「ない」と回答した(PC Onlineの関連記事:不動の地位を確立したメール、LINEやFacebookが存在感を増している――「ビジネスメール実態調査2014」)。

 社会人になってから電子メールを使い始めた40代以上ならまだしも、学生時代から電子メールに慣れ親しんでいる若い世代の人に研修なんて不要なのでは? そう思われる方もいるかもしれない。しかし実際は逆。学生時代にメールを使いこなしているからこそ、プライベートのノリと違うビジネスシーンで、メールをどのように書けば良いのか迷う人が多いのだという。

 対面や電話と違い、メールでは文面が感情的になったり物言いがストレートになり過ぎたりしがちとも言われる。メールの書き方一つでトラブルに発展したり、商談がパーになったりする可能性もある。「若い人は慣れているから」と言うのではなく、新人研修にはきちんとメール研修を取り入れたほうが良いのではないだろうか。