日立製作所が社会・金融・公共分野のシステム関連事業の強化を図るため、子会社の日立ソリューションズを巻き込んだ機構改革を進める(関連記事:日立ソリューションズ4000人が日立製作所に転籍)。日立グループの従業員4500人が転籍・異動になる。

 機構改革のポイントは、本体と子会社、社内のそれぞれで重複している事業を集約し、一体運営を図ること。今回の機構改革は、「合理化ではなく、事業の成長に向けた戦略的な施策」(日立製作所)という位置づけだ。

 日立製作所と日立ソリューションズはこれまで、社会・金融・公共分野で同じ顧客に提案営業を進めることが少なくなかったようだ。日立ソリューションズの現場では、親会社に気を使いながら仕事を進めていたケースもありそうだ。2015年4月以降は、そうした無駄な配慮もせず、現場の社員は“スッキリ”と仕事を進められるようになりそうだ。

 「社員の反応はこれから見るが、本体に転籍になるのだからネガティブに感じる社員はそれほど多いとは思わない」。日立ソリューションズの幹部はこう打ち明ける。

 グローバルで戦おうというときに、親会社と子会社、社内の部門同士が競争することなど「間抜け」なことだ。経営資源が分散するだけでメリットはほとんどないだろう。この当たり前のことを日立の機構改革で改めて感じた。