興味深いコンテストが始まる。東京メトロは9月12日から、「オープンデータ活用コンテスト」を開催する(関連記事:東京メトロ、全線の列車位置をオープンデータ化して活用コンテスト開催)。全線の列車位置や遅延時間などをオープンデータとして公開し、データを活用したアプリの開発を競うものだ。

 列車の進行方向や列車番号、列車種別(普通、急行、快速など)、始発駅・行先駅、車両の所属会社、在線位置(ホーム、駅間の2区分)、遅延状況などに関する情報を利用できる。記者は本日の通勤時間の間、どんな便利なアプリがあるものかあれこれ考えてみた。

 空いている列車・車両、現在地から目的地まで最速で到着する乗り換え方法(最新の遅延情報に基づく)などを通知するアプリ。悲しいかな、記者に想像力がないのだろう。意外に難しく、いいアイデアが浮かんでこない。ビッグデータ活用では、データを収集・蓄積・分析することも大事だが、やはり活用の目的、効果を考える人間のスキルが成否を握ることを痛感した。

 「データを公開します」「データを自由に使ってください」と言われても、なかなか使いこなせないというところも少なくないだろう。ビッグデータ活用では、様々な知見を外部から取り込むことが有効のように思う。その点で東京メトロのコンテストは興味深い取り組みだ。

 どのような人がどんなアプリを考え、優勝するのだろうか。バリバリのITエンジニアとは限らない。主婦かもしれないし、学生かもしれない。楽しみである。