垂直思考と水平思考は全く異なる思考法
所長「思考法には多様な種類があります。たとえば演繹的な思考法は、AならばB、BならばCのように、最初は大きな入り口から入って、ポイントを絞り込んでいき、最後に結論に至ります。それはちょうど三角形を逆さまにして、上から下へ向かう様子に似てると思いませんか」
榊田「なるほど。垂直的ですね」
所長「そう、まさに垂直的な思考法ですね。一方でA案、B案、C案のように異なるアイデアを次々と発想する思考法もあります」
榊田「あのブレーンストーミングなんかがそうですね」
所長「ふむ。そして、垂直思考とは逆をいくこうした思考法を水平思考と呼びます。バーティカル(垂直)シンキングに対するラテラル(水平)シンキングですね。今回取り上げるエドワード・デ・ボノは、この水平思考の提唱者として著名な人物です」
エドワード・デ・ボノ(ボーノと表記することもある)はマルタ共和国の生まれで、情報処理の心理学的研究を専門にした。特に革新的かつ創造的な思考法の開発に尽力し、自身でも多様な創造的思考法を生み出している。
水平思考は、このデ・ボノが強力に推した思考法の一つだ。垂直思考がある一つの方向に向かって進むのに対して、水平思考は進む道そのものをできるだけ沢山発見する点が特徴だ。
垂直思考と水平思考の違いを実感するためにも、次のパズル問題を自力で解いてもらいたい(図1)。