組織を取り巻く環境を分析する

所長「さて皆さん。本日は再びマイケル・ポーターの著作『競争の戦略』について話をしたいと思います」

榊田「三つの基本戦略は前々回に説明済みですよね。ということはファイブフォースについての解説ですか」

所長「ふむ、なかなか鋭い勘をしているじゃありませんか。キミの言うとおり、本日はファイブフォースについて解説したいと思います。ファイブフォースは『五つの競争戦略』や略して『5F』とも呼ばれますね」

榊田「話の腰を折るようですが、『5F』と表現すると、何だか『5階』みたいですね」

所長「ハハハ。まさにそれこそ『誤解』というもんだな」

榊田「おやじギャグはよしてください」

所長「おっと、すまんすまん。でも、キミが話の腰を折るからじゃないですか。話を元に戻しましょう。三つの基本戦略を解説した際に、ポーターの著作『競争の戦略』は、『戦略の定石』と『環境分析の手法』、この2本柱で構成されていると述べました」

榊田「で、三つの基本戦略は『戦略の定石』の眼目だと」

所長「そうでしたね。となると『環境分析の手法』について眼目がないといけません。この眼目が本日紹介するファイブフォースというわけです。いわばこれで『競争の戦略』の両眼がそろうわけですね」

 ファイブフォースは、「五つの競争要因」とも呼ぶように、ビジネスをライバル組織との競争と考え、その競争上の環境を五つの要因で考えようというものだ。