写真1●ポプラ店舗
写真1●ポプラ店舗
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 全国に約650店舗を展開する中堅コンビニエンスストアのポプラ(写真1)は、弁当やおにぎりなどの発注や在庫管理に使うシステムを開発した。

 既に直営の約280店に導入し、フランチャイズチェーン(FC)店にも拡大中だ。ポプラはSAPのデータウエアハウスであるSybase IQなどを導入し、年間5.1億件のレシートデータやPOS(販売時点管理)データといった膨大なデータを分析している。

 それをバックボーンにポプラはさらに、各店舗の店長が簡単に発注量を決められるExcelのテンプレートを独自に開発した。テンプレートには約650店舗の顧客層や地域特性データが組み込まれ、過去2週間分の販売動向の数字が表示される。各店舗の店長はこうした数値を参考に天気予報や地域のイベントなどを加味して来店顧客数を予想するだけで、個別商品の発注量を決められる。

 弁当やおにぎりは中食(なかしょく)と呼ばれ、コンビニの主力商品だ。だが賞味期限が短いため、店舗が商品を発注しすぎると廃棄ロスが増える。発注を減らし過ぎると売り場が閑散となってしまって販売の機会損失となる。各店舗が最適な発注量を簡単に決められる仕組みが必要だ。

インターネットの購買予測手法を応用

 ポプラはSAPのデータウエアハウスで、例えば関東の男性20~30代の朝の購買量がピークとなる時間帯に弁当やおにぎりがどんな順番で買われているかというデータを蓄積。全国650店舗ごとのCSVファイルデータを日々作成している(図1)。

650店舗別に品ぞろえを構成
650店舗別に品ぞろえを構成
図1●ポプラ第4次システムのデータ処理の流れ
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 中食には弁当やおにぎり、パンなど21の商品カテゴリーがある。関東や関西、中四国など6エリアごとに、深夜の時間帯から6時間ごとに分けて7560通りの売り上げパターンを作成。それを近隣の人口構成に応じた店舗ごとに加重した商品構成比に販売数をかけると、店舗ごとの商圏に合った品ぞろえの棚ができる。

 ただ、各店舗が発注量を決めるには膨大なデータを誰でも簡単に扱える必要がある。そこでポプラは各店舗ごとにExcelテンプレートを開発した。例えば雨天の日には外出せずにコンビニでおにぎりを買いに来る来店客が増える。こうした傾向がテンプレートに組み込まれていて、店長が来店客数や天候などを入力すれば、その日の品ぞろえを決められる。